「小さな恋のうた」(MONGOL800)の音域|難所は高音ではなくAメロの低音A#2・原曲キーの条件とキーの動かし方
MONGOL800「小さな恋のうた」の音域は最低音A#2〜最高音G#4。裏声は使わず、幅は約1.8オクターブ。難所は高音より低音側で、A#2が出ない人はキーを下げても解決しません。原曲キーで歌える条件とキー調整の目安を解説します。

MONGOL800「小さな恋のうた」の音域は、最低音A#2(mid1A#)から最高音G#4(mid2G#)まで。裏声は使いません。
最高音G#4は男性の地声としては標準的な高さで、高音だけを見れば原曲キーに届く男性が多い曲です。ただしこの曲の本当の難所は高音ではなく、Aメロで繰り返し出てくる低音A#2のほう。「サビは出るのに、なぜか歌っていて苦しい」と感じる人は、たいてい低音側でつまずいています。
「小さな恋のうた」の音域データ
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 最低音 | A#2(mid1A#) |
| 最高音 | G#4(mid2G#) |
| 地声最高音 | G#4(裏声は使用しない) |
| 音域の幅 | 1オクターブ+10半音(約1.8オクターブ) |
| 高音の出どころ | サビ(F#4・G#4が繰り返し登場) |
| 低音の出どころ | Aメロ(A#2前後が頻出) |
音域データは vocal-range.com の分析に沿ったもので、当サイトの男性が歌いやすい曲【音域一覧】に掲載している数値とも一致します。音域は出典によって半音ほど違うことがあります。
なお表記について、A#2は「mid1A#」、G#4は「mid2G#」と書かれることもあります。G#4はピアノの真ん中のド(C4)より少し上のソの♯、A#2はその約1.8オクターブ下のラの♯にあたります。
「小さな恋のうた」が歌いやすいと言われる理由
この曲がカラオケの定番として長く歌われているのは、次の3点が理由です。
- 裏声を一度も使わない:地声だけで最初から最後まで歌い切れます。地声と裏声の切り替え(換声点)が苦手な人でも、その難所自体が存在しません。
- 最高音G#4が男性の標準的な地声の上限内:多くの成人男性の地声はG4〜A4あたりに上限があり、G#4はそのぎりぎり内側です。
- メロディの動きが単純:サビは同じような高さの音が続き、Aメロも低いところで安定します。複雑な跳躍や転調がありません。
一方で、難易度を「やさしい」とだけ言い切れない事情もあります。テンポが速く息継ぎの余白が少ないこと、そして次に説明する低音側の問題です。
実は難所は高音ではなく「低音」
「小さな恋のうた」で苦戦する人の多くは、サビのG#4ではなくAメロのA#2でつまずきます。
A#2は、男性の地声としてもかなり低い音です。平均的な男性の地声の下限はlowG(G2)〜mid1D(D3)あたりとされ、A#2はちょうどその下限にかかる高さです。
しかもこの曲は、その低い音がAメロで繰り返し出てくる構造になっています。一瞬だけ触れる低音なら勢いでごまかせますが、繰り返し出てくると、声がかすれる・音が鳴らない・息だけが漏れるといった状態が目立ってしまいます。
さらに厄介なのは、低音が出ないという問題は、キーを下げても解決しないということ。むしろキーを下げれば低音はさらに低くなり、悪化します。ここが「サビが高くて苦しい曲」との決定的な違いです。
原曲キーの条件は上のG#4と下のA#2、両方が鳴ること
次の2つを両方満たす人は、原曲キーのままで歌い切れます。
- 地声でG#4(mid2G#)が、張り上げずに出せる:ピアノアプリや音叉アプリでG#4の音を鳴らし、その高さで「あー」と伸ばしたときに、喉が締まらず声が5秒以上続くかどうか。叫ぶような声しか出ないなら、まだ届いていません。
- 地声でA#2(mid1A#)が、かすれずに鳴らせる:同じくA#2を鳴らし、そこで声が芯を持って鳴るかどうか。息の音だけになるなら、低音側が足りていません。
自分の音域を正確に測る手順は音域の調べ方・測り方|自分の音域をチェックして広げる方法にまとめています。上限と下限の両方を測ってから、この曲に挑むかどうかを判断してください。
キーを下げるのは-2まで、低音が出ない人は逆に上げる
「小さな恋のうた」は、キー調整が難しい曲です。上下どちらも余裕が少ないため、動かせる幅が小さいのです。
男性の場合
- G#4が苦しい人:-1〜-2。-1でG4、-2でF#4まで下がり、多くの男性にとって届く高さになります。
- -3以上は原則おすすめしません:最低音A#2が-1でA2、-2でG#2、-3ではG2(lowG)まで下がり、男性の平均的な地声の下限いっぱいになります。低音がスカスカになって曲そのものが成立しなくなります。この曲は「高音が苦しいからもっと下げる」が通用しません。
- 低音A#2が出ないだけの人:キーを上げる(+1〜+2)のも有効な選択肢です。+1なら最高音はhiA(A4)で男性の平均的な地声の上限に収まり、+2ではhiA#(A#4)と上限を超えるので、+2は高音に余裕がある人だけの手です。Aメロが鳴るようになると曲全体の印象が引き締まります。
キーを下げることへの抵抗と、下げすぎの見分け方についてはカラオケでキーを下げるのはダサい?下げすぎのサインと自分に合うキーの決め方で詳しく解説しています。
女性の場合
女性の平均的な音域に対して、この曲は全体が低すぎます。原曲キーのまま歌うと、Aメロがほとんど鳴らない状態になります。
現実的な方法は、キーを+4〜+6上げるやり方です(機種の表示で言えば、-8〜-6に下げて1オクターブ上で歌うのと同じ高さです)。この曲は最低音から最高音まで22半音あり、女性の平均的な地声の幅(mid1E〜hiCの20半音)より広いので、どちらかの端がはみ出します。
+4なら最高音はhiC(C5)に収まる代わりに、最低音がmid1D(D3)まで下がり、Aメロの低音が鳴りにくくなります。+6なら最低音はmid1E(E3)で鳴らしやすい代わりに、サビの最高音がhiD(D5)になり、地声で張るには高いので裏声やミックスボイスを交えることになります。低音と高音のどちらを優先するかで決めてください。
カラオケ機種によって上げ下げできる幅の上限が違うため、実際にはお店の機械で試しながら詰めるのが確実です。
難所はサビより先に、Aメロの低音A#2を鳴らすこと
Aメロの低音を「鳴らす」
A#2をかすれずに出すコツは、喉を押し下げて無理やり低くしようとしないことです。喉に力を入れて低音を出そうとすると、音は下がってもこもって聞こえ、しかも次のサビで喉が固まったまま高音に突入することになります。
力を抜いて自然に降りていき、足りない太さは響きで補う——この考え方と具体的な練習手順は低い声を出す方法|地声で響く低音を出すコツと注意点にまとめています。低音が課題の人には、この曲より先に取り組む価値があります。
サビで張り上げない
G#4は多くの男性にとって「届くけれど余裕はない」高さです。ここで喉を締めて押し出すと、テンポの速いこの曲では立て直す余裕がないまま最後まで走ることになり、後半で声が枯れます。
サビの高音を力まずに出す感覚がつかめない人は、高音で喉が締まる・張り上げてしまう人へ|脱力して高音を出す練習を先に読んでみてください。
息継ぎの余白が少ない
テンポが速く、フレーズが詰まっているため、息継ぎのタイミングが限られます。サビに入る前にしっかり吸えていないと、サビの後半で息が足りなくなり、音程が下がりやすくなります。息を静かに一瞬で吸う方法は歌のブレスとは?「吸う音」がうるさい原因と、静かに一瞬で吸うコツで解説しています。
低音が鳴らないのか、張り上げているのかを録音で切り分ける
この曲で苦戦する原因は、大きく2つに分かれます。低音が鳴らないか、高音を張り上げてしまうか。どちらなのかによって、やるべき練習はまったく違います。
そして厄介なのは、歌っている本人には、自分がどちらでつまずいているのか分かりにくいことです。自分の声は骨を伝わる音が混じって聞こえるため、実際より太く・出ているように聞こえてしまいます。
「なんとなく苦しい」で終わらせず、Aメロとサビを続けて録音し、低音がかすれていないか、サビで声が硬くなっていないかを聴き返すところから始めてください。
歌の練習アプリ「ボイモ」では、自分の録音とお手本を聴き比べて近い声のタイプを選ぶと、そのタイプに合ったレッスンが決まります。
サビのG#4で張り上げているのか、AメロのA#2で芯が足りないのかを切り分けたい人は、あなたの声のクセはどのタイプ?4つの症状と直し方【セルフ診断】で、まず自分の声のタイプを確かめてみてください。
原曲キーで歌えたら、次は感電・さよならエレジー・桜坂
「小さな恋のうた」が原曲キーで歌えたなら、地声最高音が2半音以内の曲もレパートリーに加えられます。当サイトに音域の記事がある3曲を挙げます。
- 「感電」(米津玄師)の音域(A#2〜G#4・裏声C#5):最低音も地声最高音も「小さな恋のうた」と同じ。違いは、Cメロで裏声を使うことと跳ねたリズムです。
- 「さよならエレジー」(菅田将暉)の音域(C#3〜G#4):最高音が同じG#4で、裏声を使わない点も同じ。最低音は3半音高いので、低音の負担は軽くなります。
- 桜坂(福山雅治)の音域(D3〜F#4):最高音は2半音低く、低音側にも余裕があり、「小さな恋のうた」でA#2に苦しんだ人にはこちらの方が楽に感じられます。
音域つきの曲リストからまとめて探したい方は男性が歌いやすい曲【音域一覧】曇天・桜坂・3月9日など最高音つきで比較もあわせてご覧ください。



